先輩インタビュー

営業・業務係長 南田純一

2013年6月入社 / 札幌市出身 / 東海大学(札幌)卒

自分のアイデアで、
会社をよりよく変えていく喜び。

担当は……全部です!(笑)今日はこのあと出荷作業が待っています。

事務所に席はありますが、ほとんど現場仕事です。朝、苫前と羽幌沖で水揚げされた魚が届くと、生で使うものと冷凍するものに分けて、数の子と身欠にしんをつくる準備が始まります。まず冷凍してあるニシンをプールに運び、並べて解凍する「原料出し」作業から1日がスタート。僕の仕事は原料と製品両方の管理なので責任があります。始めをスムーズにして終わりを詰まらせないこと。これがダメだと真ん中が全部ボシャるでしょ。あるはずの原料が見てみたらなかったとか、絶対にあってはならない。使いたいものがちゃんとあるか担当者への確認を密にして、自発的に在庫管理しています。

「スタートは早く!ケツはきれいに!」がモットーです(笑)。特に今時期(5月)と年末は何十トンも入って全国各地にどんどん出荷していくし、うちは商品の種類も多いので、記録と現物を確認するのが大変です。過去には、出荷の段になって「ない!!」ってこともありました。なんとか急遽つくって間に合わせ、その度に生産体制の改善を重ねて今があります。

トラックが来る日に合わせて集中的に品物を用意する。近年はスケジュール管理も工夫が必要。

効率化を進める一方で、新卒採用に取り組む。

中小企業は、全体を見渡せるのが面白い点だと思います。入社したとき「もっとこうしたら早くなる」があちこちに見えてきて、社長に提案しながら積極的に改善しました。たとえば冷凍庫の中が担当者しかわからなかったのを、誰でもわかるよう分類して並べると、いちいち聞かなくてもわかるから時間が短縮できます。5年前に在庫管理担当になってからはさらに効率化に取り組んでおり、現在進行形です。

また、会社存続のためには製造力をつけなければと考え、リクルートにも力を入れ始めました。母校の東海大学の先生にアポを取って会社説明会を開かせてもらい、「チャレンジできるチャンスが多い会社」だと伝えました。みんな真剣に聞いてくれてましたね。実は東海大学には海洋学部があって、業界にも卒業生が多いんです。新規採用の道筋がついて、今年は入社が実現しそうな感じです。大学から見ると僕という実績のある企業だから安心な面があるのか、キャリアセンター(就職課)の人も協力的で助かります。人付き合いって、どこでどう役立つかわかりませんね。今回のことでは、どんな場面でも信頼関係を築いておくのは大事だと再認識しました。

今朝刺し網で獲ったニシン。生が入荷するのは5月半ばまで。

大学時代から食糧危機に関心。こだわりを持って食に関わりたかった。

大学は生物学部で、微生物や遺伝子の研究をしました。人が絶対に必要とする「食」の安心を追求する仕事につきたいと、卒業後は京料理の惣菜会社に就職。その後、大学の同期の子の実家だったことから、声をかけてもらってこの会社に転職しました。長年に渡り高級水産加工品をつくってきた岡田商店ならこだわりを持って仕事ができると思ったんです。実際岡田はひとつのことをコツコツやる社員が多い。パートさんも長く勤めている人はこだわりが強い気がします。僕は人からもよく言われるんですが、根が生真面目なんだと思います。会社をよくしようという思いも大きいから、1個1個の仕事に真摯に向き合って頑張れるんですね。

2023年から社長が代替わりしました。若い社員が入って新しい流れができれば、今後の会社を考えるいい転換期になるんじゃないでしょうか。昔からのことを継承しつつ効率化していけば、まだまだできることがある。ニシン以外の魚種を使うなど新しい分野にも挑戦したいし、すでに導入してあるレトルト商材の機械を有効活用して、お客さんに好まれるものを開発したいと考えています。

冷凍しておいたニシンは、海水を引き込んだプールに運び1日かけて解凍する。

職員が協力してプールをつくり、海水を引き込んで1日かけて解凍する。

のびのびと人間らしく。田舎暮らしをしながら自分を試せるのがこの会社。

休みは、中国からの技能実習生としてここで出会った妻と、一緒に家でのんびりするのが好きですね。気分転換は近くの温泉施設「ふわっと」でサウナと水風呂に入ること。あとは痛めている腰が治ったら、羽幌のスキー場に通って、大学時代に部活で取り組んでいた「基礎スキー」(技術と美しさを競う)を再開したいな。

最後にうちの宣伝をさせてください。昔ながらの北海道の伝統食材を使ってものづくりをし、その味を全国に届けている会社です。味付けやパッケージデザイン、物販や催事など、さまざまな分野に挑戦する機会があるので、まずは「自分の会社なんだ」という意識を持って、自分を育てていってほしい。最初からすごい情熱がなくても、仕事をするうちにやりがいを見つけて、思いを抱けるようになればいいんです。ここは田舎だけど、コンビニやスーパーもあるし、たまに旭川や札幌に遊びに行けるし、自然のそばで人間らしい時間を過ごしたい人、田舎暮らしを楽しみたい人にはいい場所です。お給料?それはもちろん、頑張りを反映してくれると思います!(笑)。

取材日:2024年5月17日